ご無沙汰しております

塚ちゃん、ママになる。

今年はもう夏が終わらないんじゃないか…みたいな暑さが続いていましたが、ようやく一息つけるようになってきましたね。
みなさま、ご無沙汰しております。
出産から2か月半が経ちましたが、お陰さまで娘ともども元気に過ごしております。

先日の、馬場アナウンサーのテレビ派出演ラストデーにも行ってきましたよ!
気象予報士になったばかりの頃から今まで、どれほどあの優しい眼差しと温かなお人柄に支えられてきたでしょうか…
まさか、励ましの言葉とともに産休へと送り出してくださった馬場さんが、自分の復帰前に広テレを離れられることになるとは思っていなかったので、退社を知ったときには衝撃を受けました。
ですが、馬場さんのお言葉からも「生涯しゃべり手」であるための前向きなご決断であることが分かります。
そんな“馬場さんらしさ”に最後まで元気をもらったこの日、立ち会うことができて本当によかったと感じました。


さて、前回のブログ更新から少し日が空きましたね。
「産後の肥立ち」という言葉もあるように、出産後の身体は回復までに時間がかかるので、”わた生き”スタッフのみなさんからも、しばらくは無理をしないようにとご配慮をいただいておりました。

この2か月半、初めての育児は想像していた通り、思うようにいかないことが多くありました。
ミルクをあげて、おむつを替えて、服を整えて室温調整して、それでも泣き続ける赤ちゃん…。
私が抱っこしても泣き止まないのに、私の母が抱っこするとすうっと落ち着くことも度々あり、「なんでー」と途方に暮れた時もありました。

今回は、中でも特にドタバタだった、ある夜のお話をしたいと思います。

宇宙でいちばん長い夜

産後1か月を少し過ぎた頃のことです。
深夜0時頃、赤ちゃんのぐずる声が聞こえ始めました。

「来た!」

私は布団から跳ね起き、急いで赤ちゃんの元に駆け寄りました。
間違いありません。
3時間おきにやってくる、ミルクタイムです。

この日、私はある使命感に燃えていました。
心に強く決めていたのは、”今夜だけは寝ている夫を起こすことなくミルクタイムをやり遂げる”こと。

普段の夜間ミルクタイムでは、夫は私と一緒に起きています。
我が家では、授乳をしてから、足りない分を粉ミルクで補う「混合栄養」の形をとっているので、私が授乳をしている間、夫がミルクを作って温度調整をしてくれているのです。
準備から片付けまで、一人で対応すると1時間近くかかるのですが、二人だと30分程度になるのでとても助かっています。

ただ、この日は事情が違いました。
夫は翌日に、トライアスロン大会の出場を予定していたのです。
三原市佐木島で30年以上にわたり開催されてきたトライアスロンさぎしま大会は、今年でその歴史に幕を下ろすことが決まっていました。
夫がこの大会に特別な思いがあることは以前から知っていたため、最後の大会に出場して島の方々に恩返ししたいという願いを受け、快く送り出すことにしました。

とは言え、海に入って泳ぐ競技である以上、事故の不安はつきものです。
赤ちゃんがうまれてからは寝不足が続き、やはり練習時間も取りづらくなっているようでした。
せめて本番前日の夜だけはしっかりと寝て、万全の体力で大会に臨んでほしいという思いがありました。

そうと決まれば、私も気合十分。
何一つ無駄な動きをすることなく、スムーズに、そしてスマートに、一連の流れをやり遂げるのだと張り切っていました。

まずはケトルでお湯を沸かし始め、哺乳瓶に粉ミルクを入れる。
授乳に備えて自分も少し水分補給。
お湯が沸いたら哺乳瓶の目盛りぴったりまで注ぎ入れる……とその瞬間。
私の指に激痛が走りました。

「!!!!!!!!…!?」

沸騰したばかりのお湯を、なんと私は哺乳瓶を支えていた自分の手に思いっきりかけてしまったのです。
薄暗い中で目盛りを見ることに必死になり、ケトルの注ぎ口が哺乳瓶からずれていたことに気づいていませんでした。
完全に私の落ち度です。

ズキズキと疼き始める左手。
自分の不甲斐なさを嘆きながら指を流し水に当てるも、だんだんと泣き声に張りが出てきた赤ちゃん。
このままだと夫が目覚めてしまう。
私は水から手を離しました。
歯を食いしばりながら粉ミルクにお湯を注ぎ直し、赤ちゃんのオムツを替え、その後、保冷剤を握りしめながら授乳を始めました。

授乳を始めると赤ちゃんは落ち着いたので、ひとまずほっと一安心。
保冷剤を握っていれば何とか痛みも耐えられそうだったので、このままどうにか完遂できるような予感がしていました。
ですが、現実はそう甘くはありません。
問題はその後でした。

赤ちゃんを寝かせてあげられない。

まだまだ自分の力で寝んねができない赤ちゃん。
布団の上に起きたままころんとさせても、すぐに泣いてしまう状況です。
だから抱っこをしたり、そのまま歩いたりして寝るのを手伝ってあげたいのですが、指をやけどした状態では抱き方がぎこちなくなってしまいます。
何より、指を保冷剤で冷やし続けているので、その冷たい手で触れることが入眠を妨げてしまっているようでした。

私は焦りました。
前回のミルクタイムから結局一度も寝ることなく迎えた、次のミルクタイム。
さすがに眠いはずだし、お腹いっぱいになる満足感で自然と寝てくれないかな…と淡い期待を抱いていたのですが、一切眠る気配なし。
そうこうしていると、大会に向かうため夫が起きてきました。
ここで心配をかけたら元も子もないと思い、やけどのことは言わずに出発を見届けました。

さて、この時点で午前4時。
赤ちゃんは眠りたいのに寝られない辛さで、ぐずぐずと不機嫌になり始めました。
それもそのはず。
生後2か月半経つ今でも、4時間連続で起きていることは、そうそうありません。

徐々に泣き声が大きくなる赤ちゃん。
保冷剤を手放すと、すぐに我慢できないほど痛み始める手。
色んな体勢での抱っこを試みましたがうまくいかず、布団の上に置いてもやっぱり泣いてしまう…。

少しずつ空が明るくなってきました。
もう泣きすぎて疲れ切っているはずなのに、眠れない赤ちゃん。
保冷剤を当てた冷たい指先が触れると、泣きながら「イヤー!」という感じで頭を振り体をのけ反らせます。
その様子がもう本当に辛そうで、でもその原因は自分で、情けなさと申し訳なさから涙が出そうになりました。

そんな時間が終わりを迎えたのは、すっかり夜が明けた午前7時頃。
やけどをしてから3度目のミルクタイムの後、ついに赤ちゃんはすうすうと眠り始めました。
実に7時間ぶりの睡眠です。
ほっとした半面、まつ毛が涙で濡れた寝顔にまた申し訳なさを感じました。

「急がば回れ」
「急いては事を仕損じる」

本当に良い教えです、うん。
仕事だけではなく、育児にも大切な心構えでした。

そして身をもって実感した「自分の健康あっての育児」。
赤ちゃんを思うなら、ケガや風邪にはこれまで以上に気をつけないといけませんね。
もう自分ひとりだけの体じゃないんだな。
そんな当たり前のことに、幸いこの小さなやけどで気づくことができました。

なんて懐が深いの

初めての育児。
慌てて空回ってしまうことや、対応が間違っていたことに後から気づくなんてことはよくあります。
そのたびに「ごめんね、なにぶん私も初めてなもんでご迷惑をおかけしてます。私なりに頑張るからまぁ長い目で見てやってね」
なんて赤ちゃんに声をかけています。

そんな気持ちを知ってか知らずか、赤ちゃんはすくすくと元気いっぱいに成長してくれています。
最近では、寝返りに初めて成功しました。
目の前にある物にも、興味を持って手を伸ばすようになりました。
昨日までできなかった事やできなかった反応が、今日は急にできるようになっている。
そんな小さな変化の一つ一つに「すごい!天才!」と大喜びしてしまうのも、もはやお決まりです。

また、成長するにつれて、たくさん笑顔を見せてくれるようになりました。
目が合うと、花が開いたように笑顔がはじけます。
声をかけると「きゃーい!」と嬉しそうに小さく跳ね上がります。
抱っこをすると、ニコニコしながら見上げてくれます。
見つめると、ほほ笑みながら「うー、うー」とささやき声で何かを伝えようとしてくれます。

こちらとしては「まだまだ未熟なママだなぁ…」なんて思っているところに、「そんなの関係ない!好きー!」と全身で伝えてくれているかのよう。
きっとそんな、私の小さな失敗を許しながら全幅の信頼を寄せてくれる“赤ちゃんからの無償の愛”に、少しずつママに育ててもらっているんだろうなと感じています。

……さては、褒めて伸ばすタイプだな。(違うか)

その期待に応えるべく、今日もぼちぼちと、赤ちゃんへの声かけとミルクタイムから始めようと思います。

塚原 美緒

気象予報士・防災士

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気象予報士・防災士。 2017年から夕方の情報番組「テレビ派」の天気予報や防災コーナーを担当。 2024年5月から産休に入る。 初めての出産・育児で学ぶこと...

プロフィール
  • コメント ( 2 )

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  1. いちご

    こんにちは。塚原さん、赤ちゃんのお話ありがとうございます。やけどのほうも心配です。。。
    これから寒くなりますのでくれぐれもおからだに気をつけて。。。
    いつかまたイベントなどでお会いできたら嬉しいです。。。

  2. ちゃぴちゃぴ

    ゆっくり赤ちゃんと一緒に成長していけばいいんだと思います
    赤ちゃん産まれたばかりママになって1年生‼️
    いきなり完璧な母親はいないと思うので
    赤ちゃんも泣くのが仕事で泣くことでしか
    母親に訴えることができないので
    しっかり抱きしめてあげることで赤ちゃんも安心すると思います

    赤ちゃんもみんな性格も違うのでその子に合った
    ペースでぼちぼちしてくださいね

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