えっこれもだめなの!?産前産後の食事あれこれ

塚ちゃん、ママになる。

桜の盛りもあっという間に過ぎて、葉桜が美しい季節になりましたね。

今年の桜は、娘と一緒に見る初めての桜でした。

思い入れのある花なので、妊娠中も桜並木の下を通るたび、生まれたら一緒に見ようねとお腹に話しかけていたんです。

実際に満開の景色を見た娘は……

「わぁ、きれい!」

…と思ったかどうかは分かりませんが、じっと見つめたり、花びらを手でにぎにぎしたりと興味深そうな様子。

桜の名所を訪ねて、たくさん記念写真を撮りました。

さて、私が産休に入り、この「わた生き」ブログを始めてから季節が一周しました。

マイペースに書いているこのブログをいつもご覧いただいているみなさま、本当にありがとうございます。

これまで天気や放送とは全く関係のない自分のことを話す機会はあまりなかったので、少し不安もありつつのスタートでした。

ですが読んでくださった方からの反響が嬉しくて、楽しく続けられています。

頂いたコメントも有難く読ませていただいていますよ。

励まされたり、学ばせてもらったりと、思いを共有できて嬉しく思っています。

それでは今回は、妊娠中、それから授乳期間中の食事事情について書いていこうと思います。

食べたらダメなものって?

妊娠中には食べるのを控えた方が良いものとして、みなさんは何が一番に思い浮かぶでしょうか。

私が元々イメージとして持っていたのは、アルコールとカフェインでした。

ところが、実際に調べてみるとまだまだたくさんありました。

内閣府のHPで「避けるべきもの」と挙げられているのは以下のものです。
・生ハム
・加熱されていないナチュラルチーズ
・加熱が不十分な肉
・アルコール飲料

ポイントは、加熱の有無です。

実は、妊娠中は免疫力が低下するので、普段よりも食中毒にかかりやすくなると言われているんです。

そして食中毒菌や寄生虫への感染は、お腹の中の赤ちゃんにとって大きなリスクとなります。

そのため魚介類への加熱や、野菜を井戸水・湧き水以外の水で十分に洗うことなども推奨されています。

そして「摂りすぎに注意」とされている主なものは以下のとおりです。
・魚(メチル水銀を多く含む大きな魚)
・大豆イソフラボン(日常の食生活レベルはOK)
・ビタミンA(鶏や豚のレバー、うなぎなど)※妊娠初期において
・カフェイン

えっこれも注意なの!?と驚いたのがこれらの項目でした。

あくまで「摂りすぎないように」ではありますが、うなぎなんて滋養がつくイメージですし、知らなかったらむしろ積極的に食べようとしていたと思います。

また、カフェインについては適度な量ならOKとのことですが、意外と色んなものに含まれていることを知りました。

コーヒー・紅茶はもちろんのこと、ウーロン茶、ほうじ茶、緑茶、抹茶、コーラ、栄養ドリンク、ココア、チョコレートまで…。

さらに調べていくと、身近なハーブティーやスパイスの中にも、子宮収縮作用があり量を控えた方が良いものがあるようでした。

神経質になりすぎても良くないとは思いましたが、そうは言っても初めてのこと。

当時のスマホの検索履歴は瞬く間に、「〇〇(食べ物の名前) 妊娠中」だらけになってしまいました。笑

普段は取り扱い説明書もろくに読まないような人間のくせに、この時ばかりは石橋を叩きまくっていましたね…。

特に思い出深いのは、妊娠期間にやってきた自分の誕生日です。

毎年誕生日の頃、同じ時期が誕生日の友人と一緒においしいものを食べに行くのが恒例でして。

この時は、おいしい料理とアットホームな雰囲気が人気のビストロに行きたくて、ずっと前から楽しみにしていました。

しかし予約の際、食べられない食材について尋ねられ…

「あ…すみません、生ハムとチーズとレバーと生の魚介類が食べられません。あとお肉や卵は火を中まで通していただけると有難いです。それから、エビはアレルギーの可能性があります」

電話のお相手の方の“時”が一瞬止まったのを感じました。

そりゃそうですよね。

自分でも言ってみて改めて気付きましたが、注文が多すぎます。

出直そうかと考えたところ、「分かりました」とのお返事。

いいのかしらと思いながら、当日、入店したところ…

「あんたかー!電話であれもだめじゃこれもだめじゃ言うとったのは!笑」

ご高齢の店主さんの、開口一番でした。笑

この店主さんがとっても素敵な方で、

「もうほんまに何を作ろうか迷うたわ」

と言いながら、一緒に行った友人とは完全に別の料理を用意してくださっていて、

「あんたお酒も飲めんのん!そりゃいけんわ、フレンチ言うたらワインじゃろ!」

と言いながら、とっておきのぶどうジュースを出してくださいました。

どのお皿も美しくて本当においしくて、友人と「おいしい~!!!」と感動していたら、

そりゃそうじゃろう!私がしっかり考えて作ったんだから」

と、誇らしそうな表情。

カウンター席でわいわいとお喋りしながら、最高のコース料理を満喫しました。

そして帰り際に言ってくださった、

「元気なお子さん産みんさいよ。それでまた来んさいよ」

心がじんわりと温かくなりました。

おそらく本来は、元々食べられるメニューがあるお店に方向転換すべきだったんだろうと思います。

でも、あれもだめこれもだめと我慢を重ねていた当時の私には、店主さんの心づくしのメニューが沁みわたり、また頑張ろうと思うことができました。

子どもがもう少し大きくなったら、またあの素敵なお店を訪ねます。

その時は、ワインでも、レバーのパテでも何でも、店主さんのおすすめを思う存分食べるぞー!笑

と、ここで、もしかしたら「私の時はそんな色々だめなんて言われてなかったけどな」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

実際に、食べ物・飲み物に関する注意事項の内容は、時代とともに変化しているようです。

今現在においても、あるサイトではNGとあるものが、別の所では気にしなくて良いと書かかれていることさえあり、困惑してしまいます。

そのため、何をどの程度避けるかは人それぞれの判断であって、アルコールのように危険性がはっきりとしていて「避けるべき」と明言されているもの以外は、決して押し付けるべきではないのだと思います。

厳しく制限していればしているほど立派な妊婦だなんて評価基準もなければ、「ここまでストイックにできない…」と妊婦さんが自分を責めたりストレスをためたりする必要もないと思うのです。

一方でだからこそ私は、この先もし「今これは食べない」と我慢する妊婦さんが近くにいたら、「そんなの気にせんでも食べて大丈夫よ」なんて言わずに、その決断を、その頑張りを、心から応援したいです。

某ハンバーガーチェーン店のメニューの隅に書かれた「当店のチーズは全て加熱処理されています」という文字だけでも、なんだかエールをもらえた気がしてうるっとした経験を踏まえての思いです。

とはいえ我慢するのが一番辛かった食べ物は…

お寿司ですね。

元々好物だとは思っていましたが、私はこんなにもお寿司が好きだったのかと苦しいほどに自覚しました。

約10か月間、ほぼ毎日1度は「お寿司食べたいな…」という思いが脳裏に浮かんでいました。

会えなくなって初めて、その存在の大きさを思い知るなんて、もはや恋です。

そんな愛しのお寿司は、出産時に気力の面で支えてくれました。

「出産が無事終われば食べられる」という事実は間違いなくモチベーションの一つだったんです。

長時間にわたって陣痛に耐える中で、お寿司は何度も希望の光を見せてくれました。

念願かなっての対面は、出産から1週間経った、両家の親族が集まっての祝いの席。

何が食べたい?と聞かれて即答したところ、少し良いものを用意してくれました。

あの一口目は、忘れません。

久しく食べていなかった、ずっと食べたかったというのはもちろんですが、それ以上に、出産をやり遂げた達成感・ご褒美感が最高のスパイスに。

感激している私を見て、親族たちも「好きなだけ食べんさい」と笑ってくれました。

ちなみに、お寿司熱は産後9か月経つ今でも引きずっています。

お祝いとかお土産とかスーパーのお惣菜とか、隙あらばと、お寿司チャンスをいつも探している自分がいます。

恋をこじらせてしまったようです。

そして今

出産を終えてからは、お寿司に限らず色々な物を食べられるようになりました。

生ハムやチーズも、これまで食べられなかった分を取り戻すかのようにたくさん食べました。

ただ、まだ授乳があったため全て解禁というわけではなく、アルコールとカフェインは引き続き我慢。

他にも食べるのを控えたものがいくつかありました。

ここで、なぜ今回このテーマでブログを書いたかということですが………その我慢も、もうしなくて良くなったからです。

このたび、晴れて娘の卒乳となりました。

今の娘と私の状況を鑑みて、もうここで授乳を終えても大丈夫だという判断に至りました。

赤ちゃんが大きくなればいつかは必ず通る道で、十分納得しての決断でしたが、それでもやっぱり、最後の時は寂しさでいっぱいになりました。

今から授乳してもらえることが分かったときの、ぱあっと輝く嬉しそうな顔。

授乳中に寝落ちした赤ちゃんをそっと体から離すと、「いやいや、寝てませんよ、飲んでましたよ!」とでも言うようにまた必死に吸おうとする姿。

最後の授乳の時は、思い出が次々に蘇ってきて、涙がぼろぼろ止まりませんでした。

そんな中、私を見つめながら「え!」と笑顔を見せてくれたのは、きっと、ありがとうだったんだと思います(思うことにしました)。

終えた後、夫が「お疲れさま」と洋酒入りのチョコレートのプレゼントとともに、コーヒーを淹れてくれました。

それはもう目を閉じて余韻まで味わいたくなるおいしさで、ゆっくりゆっくりと幸せを嚙みしめました。

ただ、それでも寂しさはなかなか消えなくて、またあの赤ちゃんと2人の間だけの特別な時間が戻ってくるならコーヒーもジャンクフードも何もいらないのに、なんてたまに思い返してしまいます。

なんならこの文章を書くことで、また少し涙が出てきてしまいました。笑

これから先ずっと、こんなことの連続なんですよね。

「最後の〇〇」なんて数えきれないほどあって、中にはいつが最後だったか分からないけどいつの間にか終わっていたなんてものもあって……。

でもそれと同時に、きっと新しくできるようになることがあるんだと思います。

授乳は終わったけど、離乳食を食べる量が少しずつ増えてきました。

“飛行機ブーン”のポーズはしなくなったけど、ハイハイができるようになりました。

だから、終わったことの寂しさにばかり浸るんじゃなくて、それよりも成長に喜びをたくさん感じられるように。

今この瞬間の仕草・表情の一つ一つを、大切に見つめようと思います。

※食事などに関して心配ごとがある方は、かかりつけ医へ相談をしてください

塚原 美緒

気象予報士・防災士

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気象予報士・防災士。 2017年から夕方の情報番組「テレビ派」の天気予報や防災コーナーを担当。 2024年5月から産休に入る。 初めての出産・育児で学ぶこと...

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