ミレーナって何? 産婦人科医が解説

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この記事の監修は…


貞森理子
(さだもりレディースクリニック/広島市中区)

【経歴】
大崎上島町出身。1994年福岡大学医学部卒業。医学博士。2012年、広島市中区大手町で産婦人科クリニックを開業。

日本女性医学学会女性ヘルスケア専門医であり、幅広い世代の女性特有疾患の診療に尽力している。産婦人科医のいない地域での診療にも携わっている。

専門分野:産婦人科、女性ヘルスケア


 

ミレーナとは?

ミレーナ®52mgとは、子宮内黄体ホルモン放出システム(Intra Uterine System=IUS)と呼ばれています。以下、「ミレーナ」と記載します。

ミレーナは、T字型のやわらかいプラスチックでできており、子宮内に装着することにより、T字の縦の部分から、女性ホルモンである黄体ホルモン製剤(レボノルゲストレル)が持続的に放出され、子宮の内膜が薄くなっていきます。したがって、月経量が減少しますし、月経痛も緩和するといったしくみです。



どういった症状がある人が検討するもの?

基本的には、月経時の痛みや月経量が多い場合に検討されますが、子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜症などの器質的疾患がある場合でも、月経時の症状でお困りの場合には、検討されることがあります。ただし、大きな筋腫がある場合や、子宮の形態が大きい場合、または子宮内腔に形態変化がある場合には、後述のように脱落する可能性が高くなることがあります。



どんな人が対象?

ミレーナを挿入する前に、詳しい問診を行い、ミレーナの治療に適応があるかを確認します。

対象になる人

  • 過多月経や月経困難症の治療を希望する人
  • 避妊を希望する人
  • ホルモン剤の内服が禁忌の人
  • 毎日の薬の服用が困難な人
  • 他の治療の関係で、ホルモン剤内服の併用ができない人

対象にならない人

  • 子宮の入口が狭い人(状況に応じては対象となる場合もあります)
  • 原因不明の出血がある人
  • 子宮がんに罹患している人
  • 子宮奇形がある人
  • 性感染症に罹患している人(治療後に挿入可能です)
  • 妊娠の可能性がある人
  • 出産直後の人(産後約6ヶ月経過すると挿入可能になることが多いです)
  • 異所性妊娠(子宮外妊娠)の既往がある人
  • 他科の病気で治療中の場合で、治療の状態や内服薬によってはミレーナが挿入できない場合があります



メリットとデメリットは?

メリット 

・月経が楽になります(月経量減少や月経痛緩和)
月経時に剥がれる子宮内膜を厚くさせないため出血量が減少しますし、月経痛も緩和します。個人差はありますが、挿入期間内に無月経になっていく人もいますので、とても快適です(無月経になった場合は妊娠でないという確認は必要になりますので、医師の診察を受けてください)。また、子宮腺筋症があり過多月経や月経困難症を伴う場合も症状が緩和し、子宮腺筋症の治療にもなっていると考えます。

・内服薬のように毎日内服しないため、内服忘れが多い人には向いています。

・避妊効果があります
子宮内膜が厚くならないため、受精卵の着床を防ぎ、また精子の侵入を防ぐことで避妊効果が得られます。卵巣はいつもとおり動きますので、排卵は保たれています。

・最長5年間、効果が持続します。

・体重増加作用はありません。

デメリット

・挿入時に痛みや出血を伴う可能性があります。

・数ヶ月間の中で不正出血があります。

・子宮筋腫や子宮腺筋症などがあり、子宮が正常よりも大きい場合、脱落しやすいことがあります。

・費用が高額になることがあります(特に避妊目的の場合)。※避妊目的の場合の費用は各医療機関で異なります。



副作用

ミレーナには以下のような副作用があります。

  • 挿入時や挿入直後の痛みや出血
  • 数ヶ月間の不正出血(月経時以外の出血):長くても3~6ヶ月以内には改善することが多いです。
  • 子宮内感染:子宮の中に炎症が起こること
  • 骨盤内炎症性疾患:子宮のみならず、卵管・卵巣などの骨盤の中の炎症のこと
  • 子宮穿孔:ミレーナが子宮の壁につきささって子宮に穴があくこと
  • 自然脱落:ミレーナが子宮内から腟に抜けて出ること
  • 異所性妊娠(子宮外妊娠):子宮体部内以外の卵管などへの妊娠のこと

※副作用の発現率には個人差がありますが、多くは稀な副作用です。副作用が起きた場合は医療機関で適切な対応がなされます。



受診のタイミング

  • 挿入前:1~2回程度
  • 挿入後:1か月後、3か月後、6ヶ月後、その後は6~12か月ごと。
  • その他、気になる症状があれば適宜受診してください。



痛みを伴うというミレーナ挿入…麻酔は?

基本的に麻酔は行いません。(※医療機関によっては行う場合もあるため要相談)
出産経験のない方や子宮の入口が狭い方には、子宮の入口をやわらかくする処置をして、ミレーナ挿入時の痛みを緩和させる方法をとることがあります。出産経験の無い方や帝王切開での出産の方は、経腟分娩をされた方と比較すると、痛みを強く感じることが多いです。※痛みには個人差があります。

挿入直後は違和感がありますが、徐々に減少し、数日でおさまることが多いです。

また個人差はありますが、稀に数か月間、違和感を訴える方もいます。多くは1ヶ月以内におさまることが多いです。

※ミレーナの効果や副作用には個人差があるため、ミレーナの治療に関しては、医療機関を受診し、詳しい説明を受けて頂くことをお勧めします。



さいごに

多くの女性が月経にまつわる症状で悩むことなく、笑顔で過ごすことができるよう我々産婦人科医がお手伝いさせて頂きます。

貞森 理子

産婦人科医

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みなさま こんにちは。 当院はみなさまに一番近い場所で寄り添う産婦人科クリニックです。スタッフは全員女性です。産婦人科関連の症状や疾患は、誰にでも相談できる...

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