Q.尿が、くしゃみなど下腹部に力がかかるとピュッと出てきます。薬を飲んでいますが、尿もれパッドがかかせません。今日思いついたのが、こまめにトイレにいき、尿をためないようにすることです。他に何かいい方法があるでしょうか?(相談者・53歳)

HEALTH

この質問に回答してくれたメディカルパートナーは…


正路 貴代 (広島駅前泌尿器科クリニック/広島市南区猿猴橋町)

経歴:大阪府出身。2002年広島大学医学部卒業。広島大学病院、市立三次中央病院を経て、現在広島駅前泌尿器科クリニック、中電病院産婦人科、広島赤十字原爆病院産婦人科で勤務。臨床遺伝専門医。

専門分野:産婦人科一般、遺伝カウンセリング、出生前診断


お腹に力が入った時に尿が漏れしてしまう腹圧性尿失禁という状態ですね。

尿漏れを経験したことのある女性は40歳以上の4割を超えると言われ、多くの方が悩まれています。

女性の尿失禁で多いものとして、腹圧性、切迫性、混合性尿失禁が挙げられます。

腹圧性尿失禁は、くしゃみや咳、走ったりジャンプしたりした時、大笑いや驚いた時など、おなかに力がかかった時に尿が漏れる状態で、骨盤底筋の緩みが主な要因です。

切迫性尿失禁は突然我慢できない尿意が起こり間に合わず尿が漏れてしまう状態で、主に行動療法や薬物療法を行います。

混合性尿失禁は腹圧性と切迫性の両方がある状態です。

頻度は腹圧性:切迫性:混合性が5:2:3で、つまり腹圧性が8割を占めることになります。

腹圧性尿失禁には骨盤底筋が関係していますが、骨盤底筋とは骨盤の底をハンモック状に支える筋肉です。骨盤底筋が緩むと尿動口がしっかり閉まらず尿が漏れやすくなります。また、子宮や膀胱も下がりさらに尿漏れが起こりやすくなります。骨盤底筋が緩む原因は妊娠・出産、加齢に伴う筋力の低下、閉経(女性ホルモンの低下)、肥満、便秘などがあげられます。

腹圧性尿失禁の治療として、骨盤底筋を鍛える骨盤底筋体操が重要です。できれば3ヶ月は継続することをおすすめします。体操や薬物療法をしても効果がない方は、手術療法や、磁気治療・レーザー治療など最新機器による治療も検討していきますのでご相談ください。

※症状には個人差がありますので必ず医師にご相談ください

正路 貴代

産婦人科医

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皆さま、こんにちは。 広島駅前泌尿器科クリニックで婦人科を担当しております。他に、広島市内の総合病院で婦人科外来・手術を行っております。 私は大学生の早い時...

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