あっこさん(52歳)の体験談「30分で血の海…どのくらいの企業が真剣に向き合っている?」
自分自身、子宮の病気に罹り辛かった経験から今回のイベントに興味を持ち、参加いたしました。経血が多く、30分ごとにトイレに行かないとまわりが血の海…腰は痛いし、仕事には集中できない、会議には出たくないなど苦しい思いをしました。
世の中では男女平等と謳われていますが、どのくらいの企業がこのフェムテック問題に真剣に女性と向き合って取り組んでいるのか知りたいです。
ちなみに私の務める会社の労働組合では、若手男性執行部が大阪で生理痛体験を受けてきました。
わたいき編集部より
今もあっこさんのように大変な思いをしながらお仕事をしている方がたくさんいらっしゃると思います。
調べによると月経不調により約8割の女性が、仕事や家事など生活に支障があると答えています。(令和6年版男女共同参画白書より)
女性の社会進出が進む中、健康支援はますます欠かせなくなります。
また、男女格差を縮めることも急務です。
先日、日本のジェンダーギャップ指数は146位中118位と発表され話題になりましたが、実は「地域からジェンダー平等研究会」が各都道府県のジェンダーギャップ指数を発表しているのをご存じですか?
広島はなんと、教育面では全国1位(格差が少ない)!
ですが、経済面では40位です。フルタイムの仕事に従事する割合の男女比、賃金格差、共働き家庭の家事・育児などに使用する時間の格差などが要因だそうです。
不名誉な数字は続きます。広島県は転出超過(転出数が転入数を上回っている)が3年連続ワースト1位で、人口流出が問題になっています。若い方が魅力を感じる職場づくり、「共育て」を進めるための社会づくりが必要です。
広島テレビの取り組み
広島テレビでは2023年9月に「わたしらしく生きるプロジェクト」を立ち上げ、女性たちがどうしたら「わたしらしく生きる」ことができるか、を考え続けています。まずは社内の実態調査から、ということで全社アンケートを実施。構内で働く153人(男性98人、女性53人、性別無回答2人)が回答しました。
72%の人が「急に生理用ナプキンが必要になって困ったことがある」
広島テレビの社屋は街中にあり、コンビニエンスストアも併設してありますが、仕事で急な取材が入った、長時間のイベントや放送などで生理用品を買いに行けない、なんてこともあります。筆者もイベントの運営をしていた時に月経量が想像以上に多く、あっという間に手持ちを使い果たしてトイレから出られなくなっていたところ、たまたまそのトイレに無料の生理用ナプキンが置いてあり、救われた経験があります。この結果を受けて、期間限定で無料の生理用ナプキンを設置することになりました。
生理用ナプキンと一緒に掲示したメッセージ
「安心感」が評価され、続けてほしい声100%
約1か月間設置した後アンケートを取ったところ、多くの方が「安心感がある」と高評価。
- ないと困るものがお手洗いに無条件にある安心感は代えがたい
- 急に生理が来たとき、コンビニにいかずに済むので助かる。業務中にナプキンを買うところを人に見られると…と思うと少し気が引けていた。とても安心して働けます。
などの意見が出ました。私たちはこうした声を「わたいき通信」にまとめ、構内で働く人たちにも発信をしています。
「安心して働ける」って大事
取り組みの中で感じたのは、男女ともに職場で「安心して働くことができる」ことの大切さです。そこで改めて社内を見回してみると、私たちにはとても恵まれた環境があると気付かされました。
女性用トイレには、生理用ナプキンなどを置いておける個人BOXがあります。男性用トイレにはありませんが、男性にもあったほうが良かったな、という声も聞きます。
女性用の休憩室とロッカールームです。(構内にはこのほかにも、男女関係なく、気分が悪い時に使えるベッド付きの健康相談室があります)
布団も用意してあり、気分が悪い時にはカーテンを引いて横になれます。畳で、しかも小上がりになっているのは、当時の女性局長の発案です。放送局は泊まり勤務があったり、災害などで中々家に帰れないことも想定されます。そんな時、ベッドではなく畳だと複数人が同時に寝ることもできますし、布団などなくても、気分が悪いからちょっと横になる、ということもできます。その女性は月経痛が重い時期もあったということ。こうした声を上げることができ、それを吸い上げることができる職場であることが大事だと感じました。
当たり前に享受していたこれらは、実は当たり前でなく、こうした環境がなくて困っている方が多くいらっしゃることを胸に、「わたいき」としてこの問題にどう取り組んでいくか、これからもプロジェクトメンバーみんなで考えていきます。
「わたしらしく生きるプロジェクト」委員会の様子
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