Q.24歳の娘は生理が来ると、だんごむしのようにまん丸にうずくまって動けなくなる月があります。私はそれほど酷くなかったので「母さんにはわからんだろう」と言われます。高校生の頃は「夜遅くまで起きていたから」「甘いものを食べすぎたから」など、生活習慣を正したら良くなるのではないか、と言ったりしていましたが、あまり効果は見られず(娘談)。普段の生活が生理痛に関係することはないのでしょうか?(相談者・56歳)
この質問に回答してくれたメディカルパートナーは…
貞森理子院長(さだもりレディースクリニック/広島市中区)
【経歴】
大崎上島町出身。1994年福岡大学医学部卒業。医学博士。2012年、広島市中区大手町で産婦人科クリニックを開業。
日本女性医学学会女性ヘルスケア専門医であり、幅広い世代の女性特有疾患の診療に尽力している。産婦人科医のいない地域での診療にも携わっている。
専門分野:産婦人科、女性ヘルスケア
お嬢様が苦しんでいる姿をみるのはとても心配ですね。いろいろアドバイスされ工夫され素晴らしいですね。ご相談くださりありがとうございます。
日常生活で工夫できることを何点かご紹介します。
・体、特にお腹を冷やさない
冷えて血行が悪くなると痛みが強くなる場合がありますので、腹巻きやカイロなどでお腹を温めたり、お風呂にゆっくりつかったり、適度な運動やストレッチなども有効です。
・バランスの良い規則正しい食生活
五大栄養素(炭水化物 脂質、たんぱく質、無機質、ビタミン)と呼ばれる食品をバランスよく、毎日規則正しく摂取することを心がけましょう。
・ストレスには注意
過剰なストレスは、症状を強くする原因となります。良質な睡眠をとり、趣味など好きなことをして、リラックスできる環境作りを整えましょう。
月経困難症について
月経困難症(生理痛)とは、月経期間中に起こる病的症状のことです。
下腹痛、腰痛だけではなく、お腹の張る感じ、吐き気、頭痛、疲労・脱力感、食欲不振、いらいら、下痢および憂うつなども月経困難症の症状です。
大きく分けて機能性月経困難症と器質性月経困難症があります。
機能性月経困難症は、初経後2~3年より始まり思春期に多くみられます。痛みは痙攣性、周期性で、原因は子宮口が狭いことやプロスタグランジンという物質の過剰分泌による子宮の過収縮と言われています。
※プロスタグランジンとは子宮の血管を収縮させて月経血の排出や止血する働きがあります。出産時の陣痛をおこす作用もあります。
器質性月経困難症は、月経前4~5日から月経後まで続く持続性の鈍痛のことです。子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫などの器質的疾患に伴うものをいいます。機能性と比較すると年齢が高くなるにつれて増えていきます。
※症状には個人差がありますので必ず医師にご相談ください。
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