Q. 更年期の症状は人それぞれと聞きますが、家族でも症状は様々なため、聞いても参考になりません。この歳になると体の不調は更年期だからかもと言われますが、正直自分でも分かっていません。快適に過ごせる方法があれば知りたいです。 (相談者・52歳)

更年期の悩み相談

この質問に回答してくれたメディカルパートナーは… 


貞森理子院長(さだもりレディースクリニック/広島市中区)

【経歴】
大崎上島町出身。1994年福岡大学医学部卒業。医学博士。2012年、広島市中区大手町で産婦人科クリニックを開業。

日本女性医学学会女性ヘルスケア専門医であり、幅広い世代の女性特有疾患の診療に尽力している。産婦人科医のいない地域での診療にも携わっている。

専門分野:産婦人科、女性ヘルスケア


体の不調はお辛いですね。周りに理解してもらえず悩んでいる人はとても多いです。思い切ってご相談くださりありがとうございます。

閉経の見極め方は難しいですね。ご自分で何歳が閉経だとわかる人はいないと思います。40代になり月経が不順になってきたらそろそろ更年期かなと思っていただき、月経周期が長くなるといったような月経の状態に変化がみられ、1年間月経がなければ閉経となります。月経日を記録して頂くのもご自分の月経を知る良い方法だと思います。婦人科受診により、ホルモン採血を受けることで、ホルモン値から現状が把握できます。閉経の年齢には個人差がありますので、平均閉経年齢でなくても過度にご心配されることはありません。

更年期をより良く過ごすための対処法としては、適度な運動やバランスの良い食事、良質な睡眠、ストレスをため込まないなど、ご自分の体調を管理するセルフケアはとても大事です。運動が苦手な場合も、例えば、軽いストレッチをしたり、エレベーターやエスカレーターではなく階段を使用したり、通勤時に一つ前のバス停で降りて歩いてみたり、生活の中で一工夫してみてはいかがでしょうか。ご自分の趣味など好きなことをされるのもより良い時間の過ごし方だと思います。

更年期の症状は、さまざまですが、更年期障害以外の疾患がひそんでいる人もいます。まずは専門医にご相談頂くのもご自分の体を把握する上でとても重要です。

更年期だから我慢しなきゃと黙認するのではなく、家族を含めた周りの人々にも理解してもらうことは大事なことです。対処法は必ずみつかりますので、婦人科を受診されることもお勧めします。


更年期について

更年期とは、閉経前5年間と閉経後5年間の合計10年間の時期をさします。

また閉経とは、卵巣の機能が低下して、1年間月経がない状態です。日本人女性の平均閉経年齢は約50歳です。したがって約45歳~55歳の時期が更年期という時期になります。

更年期障害とは、更年期症状(更年期に現れる多種多様な症状の中で器質的変化に起因しない症状)の中で、日常生活に支障をきたす病態を更年期障害と定義されています。

更年期障害の主な原因は卵巣機能(エストロゲン)の低下であり、これに加齢に伴う身体的変化 精神・心理的な要因 社会文化的な環境因子などが複合的に影響することにより 症状が発現すると考えられています。

更年期の症状はさまざまで、ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)、発汗、動悸、めまい、頭痛、肩こり、冷え、胸がつかえるような感じ、疲れや倦怠感、関節痛、しびれ、気分や意欲の低下、イライラ、不眠などです。

更年期障害の代表的な薬物治療には、ホルモン補充療法(HRT)、漢方治療、向精神薬、大豆サプリなどがあります。

※症状には個人差がありますので必ず医師にご相談ください。

貞森 理子

産婦人科医

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みなさま こんにちは。 当院はみなさまに一番近い場所で寄り添う産婦人科クリニックです。スタッフは全員女性です。産婦人科関連の症状や疾患は、誰にでも相談できる...

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